突然ですが、みなさん撮った写真って定期的に見返していますか?
ふと昔の写真を振り返ってみると、思い出が蘇ってくるのは勿論、自分の写真の下手さに思わず笑いそうになったり、今の写真をよりよくするヒントに出会えたりすることも。
というわけで、今回は私がカメラを持ってすぐの写真から現在の写真に至るまでを『写真史』として振り返ってみようと思います(*’▽’)
アートフィルターをフル活用
OLYMPUS PEN Lite E-PL6というミラーレスから始まった私のカメラライフ。
F値もシャッタースピードもISO感度も『何それ美味しいの』状態だった当時の私を助けてくれたのが、カメラに内蔵されているアートフィルターでした。
女子ウケ抜群のトイカメラ風やセピア風など、フィルターを選んでシャッターを切るだけでちょっとオサレな写真が撮れるのが楽しくて楽しくて。
貝殻を集めてソフトフィルター風のふわふわ写真を撮ってキャッキャしてる時代が私にもあったんですよ。
この時の私にとって、カメラの『設定を変える』とは『アートフィルターを変える』という認識でした。
ブレてたりピントが合ってない写真も多いんですが、この頃はカメラで撮っていればなんだって素敵な写真に感じられていて。撮影枚数の多さからもシャッター切るのが本当に楽しかったことがひしひしと伝わってきます。
F値とホワイトバランスを覚える
アートフィルターで撮り続けること約2ヶ月。ちょっと飽きてきたこともあって、もっと自分で設定とかできないかなと色々調べていくとF値を小さくすると背景がボケるらしい。ナ、ナンダッテー!?
ホワイトバランスの存在を知ったのもちょうどこの時期。
この頃の私は色を変えないと物足りないと感じていて、今見返すと不自然な色味の写真だらけ。ホワイトバランス:オートで撮ると味気なく感じられたんですね。
はじめてのたんしょうてん
ピントが合ってないとかどうでもよくて、とりあえず背景ボケに飢えていたこの頃の私。
ただ、キットレンズでボカそうとしても私が思っているようなボッケボケになってくれない。もっとボカす方法は無いかと調べていくと、単焦点レンズというものがあるらしい。
しかもそのレンズは、写真の上達にも繋がる初心者が買い足すべきレンズらしい。ほう。
当時は35mm換算の意味も分からず、『オリンパスは焦点距離を2倍』という公式として認識していました。どの焦点距離が使いやすいとかもよくわからなかったので、作例を見ていて一番撮りたいものに近かった17mm F1.8を入手。私が初めて買った交換レンズです。
早速使ってみると…
うひょおおおお、めっちゃボケる!!!
今見るとどこにピント合ってるのか分からないんですが、当時の私はこれをPCの背景にしていたほど気に入ってました。このレンズを手にしたことでボケに魅了され、一気に写真の世界に惹き込まれていきました。
やっと真面目に写真を撮り始める期
ミラーレスを手にしておよそ4カ月。どこかに行く予定もなくカメラとしばらく距離を置いていたんですが、ひょんなことから一眼レフ(Nikon D5500)をメインで使うことに。
この時、カメラ片手に行く初めての大きな旅行を控えていたので、旅先で失敗しないためにようやくカメラの勉強を開始。
これまで『ホワイトバランスを変える』『F値を小さくすればボケる』『困ったら発光禁止かPモード』で撮ってきた私に、『F値を上げるとピントが合う範囲が広くなる』こととISO感度が加わり、ここでようやくちゃんと写真を撮り始めるようになります。
Snapseedを導入
撮りたい風景が沢山あって、最高に楽しかった旅行。
旅の最中はとにかくノリノリで撮ってるので、写真の出来に疑問を感じることも無かったのですが、帰って見返してみるとなんか違う。
当時、撮った写真はカメラのWi-Fiでスマホに転送して管理していて、RAWの存在すら知らなかったので、写真の編集ができる良いアプリを探していて辿り着いたのがSnapseedでした。
以前このブログでもオススメした通り、無料とは思えないくらい本当にやれることの幅が広い。
あれこれ弄っていくうちに写真がみるみるうちに変わっていくのが本当に楽しくて、これをきっかけに画像編集にどんどんのめりこんでいきました。
はじめてのげんぞう
Wi-Fiでサクッと転送し、スマホで写真を弄れる手軽さと楽しさから、かなり長い間Snapseedを愛用していたんですが、ふと調べものをしている時にRAW現像の存在を知った私。
『RAWは生のデータ』と言われても良く分からないし、初めは面倒な印象しかなかったんですが、Nikon純正の無料現像ソフトがあると知り、勢いでチャレンジしてみることに。
Nikonの純正現像ソフトCapture NX-Dを使って初めて現像した写真がこちら。何を弄ればいいのか分からなくて、結果的にほとんど何も弄れてないのが我ながら何とも初々しいw
Snapseedの延長線上の感覚で、現像にもすぐのめりこんでいきました。
第一次写真コテコテ期
カメラの設定から現像までやれることが少しずつ増えてきて、ちょっと写真にも慣れてきた私。ちょっと調子に乗っちゃいますよね(*’▽’)
写真に対して強すぎるこだわりが出てきたり、『SNSでの評価が自分の写真の評価』と思い込んで『人目を惹くすごい写真を!』と変にSNSウケを意識してしまったり。その結果がコレです。
…心の準備はいいですか。
今これを載せた瞬間、記事そのものをお蔵入りにしてやろうかと真剣に迷っているくらいにはマジで恥ずかしいんですが、これも私の写真史の大事な一部分なので、隠さずに続けましょうw
この頃はすごい写真=インパクトがある写真だと思っていて、彩度やコントラスト・明瞭度といった、写真を派手にしてくれる項目をとにかく乱用。
当時私自身写真に慣れて新鮮さがなくなったこともあってか、自分の撮る写真に対してどこかパッとしない・物足りなさを感じていたんですね。
それに加え、一度派手なものを見ると感覚が麻痺して、少しでも控えめにすると物足りなく感じられ、コテコテ現像がさらに加速。
この頃は撮ることよりも現像を重視していた時期で、撮っている時に納得がいかなくても『まあ現像でなんとかなるでしょ!』と考えることも多く、それもコテコテ現像に拍車をかけていたような気がします。
今見ると『ヤバい』としか思えないんですが、当時の私はとにかく派手な写真が撮りたかったので、これはこれでいい思い出です(*’▽’)
一つ目の転機
とにかくコテコテにしないと気が済まなかった私に、ある時ちょっとした転機が訪れます。
それがAF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDとの出会いです。
今まで使ってきたものと比べて抜群の描写力を持つレンズだったこともあり、撮って出しから『今までと全然違う、すごく綺麗…!』と感動していたんですが、家に帰っていつも通り現像しようと取り掛かってみると、どう弄っても弄らない方が綺麗。
今までは明瞭度やコントラスト上げないとなんか物足りない・インパクトが足りないように思っていた私の狭い視界がふっと開けたように感じられた、そんな転機でした。
Lightroom導入期
ある日Twitterで、前々からフォローしていた方が『Lightroomを使ってる』と呟いているのを見かけて調べてみると、有料ソフトはやっぱりすごいらしい。思い立ったが吉日ということで、勢いで申し込み。
初めはカタログの扱い方すら分からず、現像する前から心が折れかかっていましたが、なんとかクリア。段階フィルターや円形フィルターが使えるようになり、現像で出来ることの幅がグッと広がります。
第二次写真コテコテ期
この見出しを見てアレ?と思った方もいらっしゃるかもしれません。さっき『コテコテ現像に転機が訪れた』って書いてましたしね。
Lightroomでやれることの幅が一気に広がって、今まで以上にすごい写真に仕上げられる環境が整ったわけですね。その結果…
ど う し て こ う な っ た /(^o^)\
夜景だからグッと華やかに!ってことでこの写真だけコテコテ…というわけではなく、この頃の写真を振り返るとほぼ全部こんな感じ。第二次写真コテコテ期の始まりです。
この頃からメインカメラがD750に変わっているんですが、恥ずかしながら『フルサイズならすごい写真が撮れる』という幻想を抱いていたんですね。
そもそも『すごい写真』というのが何なのかというのもあやふやでしたしね(;・∀・)
それに加え『フルサイズを使うからにはすごい写真を撮らないと』という焦りみたいなものもあって、変に空回りした結果がこのゴテゴテ現像だったというわけです。カメラが変わっても撮る人が変わらないと写真は何も変わらないという良い例ですよホントに…。
第二の転機
周りにカメラを持つ人も増え、少し遠出して撮りに行くことも増えたこの頃。
『せっかく時間をかけて撮った写真だから、完璧に仕上げたい!』と思いがかなり強くなり、今までは写真にインパクトを与えるべくガッツリと弄っていたのが、自然と慎重に細かく弄るようになっていきます。
あーでもこーでもないと色々試しては修正して…を繰り返し、丁寧に現像するようになって、明瞭度やコントラスト・彩度なで、今まではどんな写真でも上げないと気が済まなかったものが写真の繊細さを奪うことがある、使うべき場面とそうでない場面があることなどをしっかり認識。
今思うと当たり前なことなんですけどね(´・ω・)
SNSに載せる時って彩度が高くてギラギラした雰囲気の写真の方が目を惹く気がしていたので、ついコテコテやりすぎていたんですが、ふとした時にこれって自分が撮りたい写真なの?と疑問を持ち始めるようになりまして。
今までの写真は『一目見て驚くようなインパクトのある写真』とではなく『ただとにかく派手なだけな写真』で、自分で何度も見返したくなるような写真ではなかったんです。
ふとそれに気付いて、そこから撮っていた時の思い出や感動を思い出せるような、見返した時に自分の中で違和感なく心にストンと落ちるような、自分で何度も見返したくなる写真を心がけ始めるようになりました。
今まで現像は写真を劇的に変えるツールだと思い込んでいたんですが、この頃から目で見た時の感動を写真で再現するためのツールという位置づけに変わったんですね。
また、この頃から写真を褒めていただけることも増えまして。
誰かに褒められるために撮ってるわけではないとはいっても、やっぱり褒められると嬉しいもの。それも私がコテコテ現像から、もっと言えばワンパターンの現像から抜け出すきっかけだったように感じます。
撮りたいものをイメージして撮ることの楽しさ・大切さ
今までは『とにかくすごい写真が撮りたい!』とがむしゃらに撮っていたんですが、最近は撮りたい・仕上げたい写真のイメージを持って、撮ったり現像したりしています。
そのイメージを目標として撮るようになってから、『写真を撮ること』が今まで以上に楽しく感じられるようになったんです。
現像を覚えてからの私は写真をよくするためには何よりも現像が大事と思っていたので、どうも撮ること自体は適当になりがちで、現像でゴリゴリ修正しようとして結果空回りしていたその反省です(´・ω・`)
まだまだ下手くそですが、最近では今まで以上に良い写真をいっぱい見るようにして、イメージの引き出しをどんどん増やして、もっと楽しいカメラライフにできるよう過ごしています(*’▽’)
ひとつひとつの経験があって、今の私の写真がある
改めて自分の写真を見返してみると『ほんと下手だなwww』としか言えないんですが、でもどの瞬間も写真が楽しかったんだなというのがひしひしと伝わってきて、下手な写真も一枚一枚愛おしいんですよね。
ここまで振り返ってみましたが、アートフィルターを使って撮ってたのも、スマホアプリで写真をあれこれ弄っていたのも、長い期間とにかくゴテゴテの現像をしまくっていたのも、後悔や失敗だとは思っていません。
今の私が、写真を始めたての頃の私に『スマホアプリで編集するよりもRAW現像の方が綺麗に仕上げられるし、初めからLightroom使っとく方がやれること多いし、明瞭度とかコントラストや彩度使いすぎると良くないよ!』とアドバイスしたとしても、絶対に『ふーん』と流されて終わってしまうと思うんです。
アプリで編集する手軽さ・楽しさを知らなかったら、RAW現像に興味を持つことはなかった。派手に現像してみて『私の写真なんかすごい気がする!』と思えてなかったら、もしかしたら自分の撮る写真に飽きて、写真そのものをやめていたかもしれません。
コテコテという足し算を経験していなかったら、引き算の大切さには気づかなかったはずですし、現像の楽しさや奥深さを知ることもなかったでしょう。
自分で言うのもアレなんですが、今回『写真史』をまとめてみて、自分の写真が常に変化しているのが実感できたのがすごく嬉しく、ちょっと誇らしくも思えたんです。
良い変化も悪い変化もありますし、特に誰かに教わるわけでもなく自己流で写真を楽しんできた身なので、実際かなり回り道してます。
でも、色んな事を思い付きや勢いで試していくうちに、『上達』とは言えなくても確実に『変化』はしていて、それがゆっくりと自分が撮りたい写真や撮りたいスタイルに近づいているのを改めて感じました。
まだまだ下手くそですが、下手くそということはそれだけ伸びしろがあるということですし、これからも自分の写真にどんどん新しい風を取り入れて、もっともっと楽しいカメラライフにしていきたいと思います(*’▽’)
おわりに
初めてのカメラを手にした2日後に撮った冬の明石海峡大橋。この日からもうすぐ2年、ちゃんと風景を撮り始めて1年半弱。短い期間でも結構変わるものですね(*’▽’)
さて、『私の写真史』いかがでしたでしょうか?一部載せるのが恥ずかしい写真もあったんですが、私自身書いていてとても楽しい記事でした。
数年後自分の写真を見返した時、今の写真を『この頃下手すぎwww』と笑い飛ばせるように、もっと上手くなれるように頑張りたいと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!