私の経験から考える!『フルサイズなら良い写真が撮れる』は本当?


写真にのめり込んで『もっと良い写真が撮りたい!』と思い始めた時に、視界に入るフルサイズの文字。

SNS等で見かける上手な方がフルサイズを使って撮っていて、自分の写真と比較して『やっぱりフルサイズじゃないと良い写真が撮れない』と嘆いている人をたまに見かけます。でも本当にそうなんでしょうか?

というわけで、フルサイズなら良い写真が撮れるのか、私の実体験も踏まえつつあれこれ考えてみたいと思います(*’▽’)

『フルサイズなら良い写真が撮れる』は本当?

そもそも『フルサイズ』って何?
Nikon
フルサイズとは、センサーの大きさの名称のこと。センサーとは撮像素子とも呼ばれ、レンズを通ってきた光を電気信号に変換する部品のことで、マイクロフォーサーズやAPS-C、フルサイズなど、様々な大きさがあります。

センサーの大きさの違いによって、カメラや写真には色んな変化が生じます。代表的なモノをいくつか挙げてみましょう(*’▽’)

フルサイズを導入することで変わるもの

画質

センサーは、画質の良し悪しを決める大切な要素のひとつ。センサーサイズが大きいと1画素あたりの面積が広くなり、より画質の良い写真が撮れます。

ただ、センサーの大きさだけでなく、画素数や画像処理エンジン、さらにはレンズの描写力も画質の良し悪しを決める上でとても重要なので、フルサイズだから絶対に今よりも画質が良いとは言い切れない点には注意が必要です。
高感度におけるノイズ耐性

『フルサイズの利点』と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのはコレかなと思うんですが…。

APS-Cに比べて、フルサイズは高感度で撮影する際ノイズが発生しにくくなります。

以前4台ほどカメラを使って高感度におけるノイズの発生具合を私なりに実験・比較したことがあったんですが、この時にもAPS-Cとフルサイズのノイズ耐性にはハッキリ違いが現れました。
ノイズを気にせず綺麗に撮りたい!適切なISO感度ってどれくらい?
写真を始めて新しく知る用語はいくつもあります。ISO感度もそのひとつ。 ISO感度について調べていくと、どうやらノイズが出るか...
ダイナミックレンジ

写真には、一番明るい部分一番暗い部分の両方が必ず存在します。

一番明るい部分が明るすぎると白飛びが、一番暗い部分が暗すぎると黒つぶれが発生し、その部分の細かい描写は全て失われてしまいます。これらを起こすことなく明暗差を表現できる範囲のことを、ダイナミックレンジと言います。

よりセンサーが大きいフルサイズは、画質の向上に加えて、このダイナミックレンジも広くなるため、APS-Cに比べてより階調豊かで繊細な写真を撮ることができます。


またダイナミックレンジが広いと、パッと見では黒く潰れている・白く飛んでいるように見えている箇所もしっかり細部表現を写してくれているので、RAW現像で無理なく弄れる範囲が広くなるというメリットもあります。

同じメーカーのフルサイズカメラであっても、機種によってダイナミックレンジの広さは異なりますが、センサーがより大きいフルサイズの方が一般的に広いと言っていいでしょう。

他にもフルサイズの方がボケやすいとか、ファインダーの視野率が…など色々あるといえばあるんですが、本題から逸れてしまうのでこの辺にしておきます_(:3 」∠)_

フルサイズで撮った写真は、APS-Cの写真とは違う?


フルサイズメインで撮って半年近く経った今、フルサイズで撮った写真とAPS-Cで撮った写真に違いはあると感じます。これだけ値段に差があって、何も変わらない方がおかしいですしね。

多少無理に感度を上げてもノイズが全然出ませんし、少しばかり写真の繊細さが増したように思います。また、現像で無理なく弄れる範囲も範囲も広くなったようにも感じます。

でもフルサイズを手にしてすぐの頃に『フルサイズってやっぱ違うわー』『フルサイズはAPS-Cより良い写真が撮れる』と感じたかと聞かれると、実は全然そんなことなかったんです。
『フルサイズだから良い写真が撮れる』というより『良い写真を撮れる人がフルサイズを使ってる』

SNS等で『すごい!きれい!』と思う写真を載せている人のアカウントを覗いてみると、使っているカメラがフルサイズ…ということはよくあります。

今も自分の写真の出来に悩むことは日常茶飯事ですが、もう少し前は今以上に悩むことが多くて、そんな時素敵な写真を見ると『やっぱりフルサイズじゃないと撮れないのか…』と思ったことが何度もありました。

でも実際にフルサイズを手にして撮ってみても、今までの写真と大差がない。フルサイズなら撮れると思っていた『すごい!』という写真には到底及びそうもない。同じフルサイズを使っているはずなのに(´・ω・`)


なぜだろうと考えてみると、いくつか気付いたことがありました。

例えば、SNSで見かける上手な人たちは、今までいろんなカメラを使って、色んな知識や技術を得て、撮りたい写真のイメージがハッキリしてきて、その上で自分の写真をさらにステップアップさせるために必要だったのがフルサイズだということ。

だから『今より良い写真が撮りたい』というザックリとした考えでフルサイズを手にしても、そのカメラの持つ凄さを引き出すのは無理なこと。

そして、良い写真を撮る力を持っている人がフルサイズを持っているだけで、フルサイズを使っているから良い写真が撮れているわけではないことです。
写真を撮るのは、カメラではなく自分自身

冒頭でフルサイズを導入することで変わることをいくつか挙げてみましたが、構図力や写真・カメラの知識、現像スキルなどはフルサイズを持ったとしても変わりません。

構図や設定を考えて、シャッターを切って、現像で写真を仕上げるのはすべてカメラではなく自分自身。どれだけ性能の良いカメラであっても、それ自体が写真を撮ってくれるわけではなく、あくまでも撮影者をサポートしてくれるに過ぎないんですね。


いつかはフルサイズ!とお考えの方の中には、今エントリーモデルを使っているという方も多いと思うんですが、それらのカメラも良い写真を撮るために必要な性能を十分すぎる程持っています。

とはいっても、エントリーモデルではダイナミックレンジや高感度などの面でやっぱり限界がある。その限界を超えた性能を持つのがフルサイズで、今あるカメラで撮れる限界とまでは言わなくても、しっかりと良い写真を撮れていない限り、フルサイズを使ってもその性能を活かしてあげることができないように思うんです。
フルサイズを持ってもなかなか思うように撮れなかった私の話

私自身フルサイズを手にする前、正直『今の自分の写真がイマイチなのは、フルサイズじゃないからかもしれない』とか『フルサイズで撮れば良い写真が撮れる』と考えていました。巷ではフルサイズ症候群なんて呼ぶんだとか。

つい先日、昔の写真から現在の写真までを『私の写真史』として振り返る記事を書いたんですが、フルサイズを持ったから良い写真が撮れたかと聞かれると、全然撮れてなかったんです。


私の場合、まず現像がどうしようもなく下手で、フルサイズならではの繊細な表現を片っ端からぶっ潰すゴテゴテかつワンパターンな現像しかできなかったことが大きな原因のひとつ。それに加え、カメラや写真についての基本的な知識もまだまだ欠けていました。

私が手にしたフルサイズは確実に今まで以上に良い写真を撮るためのパワーは持っているんですが、あまりにも今まで使ってきたカメラでできることがちゃんとできてなさすぎた。そりゃフルサイズをフルサイズらしく使いこなせないわけです。

結果私はフルサイズに対して勝手に幻想を抱いて、勝手に自爆してしまったんです。

先程『フルサイズは撮る人が持つスキルやイメージをサポートしてくれる』と書きましたが、私はサポートされる位置にすらいなかった撮るのはカメラではなく自分自身だということに気付くのが遅かったんですね(´・ω・`)
フルサイズだからこそ撮れる写真は勿論ある

『フルサイズを使ったら良い写真が撮れる』わけでないのなら、フルサイズって必要ないの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は断じてそうではないと思っています。

フルサイズを使い始めてしばらくして、前よりは自分が撮りたい写真が撮れるようになった今、『フルサイズだからこそ撮れた』と思う写真が何枚もあります。風景を始めとした繊細な表現が好まれる写真だったり、階調表現豊かな写真だったり、高感度が必要となる写真だったり…。

そのカメラでしか撮れない写真があるからそのカメラが存在しているのだと思いますし、フルサイズじゃないと撮れない写真もありますし、フルサイズを手にすることで写真の幅はグッと広がります。
フルサイズで良い写真を撮るために今から心がけておきたいこと

それに、先ほどから今のカメラを使いこなせてないとフルサイズを持っても良い写真は撮れないといったことを述べてきましたが、『フルサイズは上級者じゃないと持つべきではない』というわけでは絶対にありません。

初心者こそ良いカメラを持つべきですし、機材に頼れるところは思いっきり頼るべきですしね(*’▽’)

でも、最初からフルサイズを買うという人は少数派でしょうし、写真をしばらく楽しんでからステップアップとしてフルサイズの購入を検討し始める方が多いはず。高い買い物ですし、やっとの思いで手にしたからには『やっぱりフルサイズは違う』『フルサイズは良い写真が撮れる』と思いたいですよね。


ただ、私はフルサイズを手にしたというだけでは良い写真が撮れなかった。色々なブログやレビュー等拝見していると、こういった経験をしているのは私だけではないみたいです(´・ω・`)

私自身この経験を踏まえて、こうしていればフルサイズを手にしたときから良い写真が撮れた・フルサイズに感動できただろうなと思うこと、フルサイズを手にするまでの間に心がけておけばよかったと思うことがあります。

それが、自分の写真がイマイチだと感じた時、その原因が自分の力不足なのかカメラの力不足なのか考えることです。
自分の力不足なのか、カメラの力不足なのか考える

こう書くとなんだかめんどくさそうな感じに聞こえてしまいそうですが、フルサイズ症候群にかかっていた頃の写真を見返してみると、それらの写真をイマイチだと感じていた理由のほとんどはカメラではなく自分の力不足だったんです。

よく見るとピント合わせが雑だったり、水平が取れてなかったり、何でもかんでも写してしまっていたり、逆に写したいものがフレーム内に収まりきっていなかったり。どれだけ良いカメラでもピントが合ってないことを教えてくれませんし、構図は考えてくれません。

ピントミスや構図が写真をイマイチにしている原因の場合、それは自分の力不足ということになります。


さらに、白飛び黒つぶれが起こっていたり、思うような明るさで撮れていないのも、カメラが悪いんじゃなくて自分自身でしっかり露出を合わせられていなかったから…なんてこともありました。

また、どれだけ良いカメラであったとしても、見たままの色や感動をただシャッターを切るだけで1枚の写真に完全再現するのはほぼ不可能。よって、良い写真に仕上げるにはRAW現像の技術もかなり重要になってきますし、自分の写真を見返してみるとイマイチだったのはちゃんと現像できていなかったからだったということも何度もありました。
良い写真が撮れないことをカメラのせいにするのをやめてみる

構図力も設定も現像も全部完璧にしないとフルサイズを持っても良い写真が撮れない!ということではなくて、思っているような写真が撮れないことをカメラのせいにするのをやめることが、フルサイズで良い写真を撮るためには大事なのかなと思うんです。

写真に慣れてきた頃『これ以上学ぶことはない、後はひたすらシャッターを切るだけ(。-`ω-)キリッ』のような感じになっていて、あとはカメラの性能があればなんだって撮れる的な考えでいたんですが、写真ってそんなに浅いものじゃなかったんですね。もうほんとに深い。


『フルサイズなら良い写真が撮れる』が勘違いだと気付き、自分の写真の撮り方・仕上げ方を最初から見直したんですが、後日当時イマイチだと思っていた写真を現像し直してみると、見違えるほど綺麗になって。

この頃『フルサイズじゃないと良い写真が撮れない』と思い込んでいたけれど、カメラが撮れなかったのではなく、私自身が良い写真を撮れてなかったのだということ、写真を知ったように思っていたけれど実は全然知らなかったことを思い知りました。


『自分の力不足』の例をいくつか挙げてみましたが、高感度で撮影するしか選択肢が無い場合、どう設定を考えても盛大にノイズが出てしまう…なんてことや、ダイナミックレンジの狭さはカメラの力不足です。

考えてみれば、カメラの力不足の例って少ないですし、フルサイズを手にした頃の私が良い写真を撮れなかったのも納得です(´・ω・)



カメラは写真を撮る道具。今の写真に足りないのが本当にカメラの力なのか、それとも自分の撮る力なのかを考えるくせをつけておくと、念願のフルサイズを手にした時、そのカメラが持つ力をしっかり使いこなせるようになって『良い写真』が撮れるんじゃないかなと思います(*’▽’)
おわりに

自分で書いていてこんなに自分にグサグサ刺さる記事はじめてでした。私はもうボロボロです_(:3 」∠)_

さて、写真を突き詰めていくとやっぱり欲しくなるフルサイズ。

私自身手にした当時はまだ自分の力が全然足りていなかったので『あれ?』と思ってしまいましたが、その後少しずつ勉強していくうちにフルサイズってやっぱりすごいんだなと感じられるようになりました。

いつかはフルサイズ!と考えていらっしゃる方には、私があまり感じることができなかった『フルサイズってやっぱり違う!』という感動を心の底から味わってほしいなと思いますし、この記事が読んでくださった方のフルサイズ準備に少しでも参考になれば幸いです(*’▽’)

最後まで読んでいただきありがとうございました!