人生において『大人になったなあ』と感じる瞬間は色々ありますが、美術館や展覧会を『芸術に没頭してリラックスできる場所』と感じられるようになるのもそのひとつではないでしょうか。
さて、そんな芸術に没頭できる時間を求めて、前々から気になっていた東京都庭園美術館で開催されている展覧会『ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて』に行ってきました。
全展示写真撮影可ということで、先日お迎えしたα7Ⅲと人生初のオールドレンズ・Super Takumar 55mm F1.8を連れて行ったので、そちらのレポートもしていこうと思います。
オールドレンズと楽しむルネ・ラリック展
庭園美術館の建物は、元々朝香宮家という宮家の邸宅。
朝香宮夫妻は当時フランスで盛んだったアール・デコの様式美に魅せられ、フランス人に設計を依頼。建築技術には日本古来の職人技も使われており、ただの邸宅ではなく芸術作品といっても過言ではない建物なのだとか。
実際足を踏み入れると、ただの豪邸ではないことが素人の私にも感じられます。
ランプひとつとってもこんなにオシャレ。
ちなみに、アール・デコは1910年代〜1930年代に流行した装飾様式のひとつで、幾何学模様をモチーフにした直線的な構成が特徴。
一方、2015年〜2018年頃に舞浜に生息していた民には馴染みのあるアール・ヌーヴォーは、植物をモチーフにした曲線的な構成が特徴です。知っているけれど説明してと言われたら答えられなかったのですが、またひとつ賢くなりました。
ルネ・ラリックは19世紀〜20世紀に活躍したガラス工芸家・宝飾デザイナー。
で、まあここまでオールドレンズを使って撮っているのですが、予想以上にピント合わせが難しい。
上の写真の場合、後ろのレースカーテン越しに優しい光が差し込んでいたのですが、現代レンズのような光への耐性がないので、被写体(=グラス類)の輪郭がボヤけます。となると、ピントが合っているのかが分かりにくいんですよね。
対して、上の写真はα7Ⅲと一緒に購入した標準ズーム・SIGMA 28-70mm F2.8 DG DNで撮影したもの。
アングルが違うものの、こちらもカーテン越しの光の条件はほぼ同じなのですが、こちらは被写体がクッキリ写っています。その代わり、光をまとっているようなふんわり感には少し欠けますね。
『光で輪郭がボヤける』ということは、言い換えると『光をまとわせることができる』ということ。難しいですが、使いこなせれば表現の幅がグッと広がりそうです。
こちらの豪華な作品はセンターピースというテーブル中央に置くインテリア。腰下〜足あたりが人魚っぽいなと思っていたら作品名は『火の鳥』でした。
ずっと55mmのレンズを使っていたため作品アップが多かったので全体を。
これもおニューのレンズSIGMA 28-70mm F2.8 DG DNで撮影したものです。使用感については後々別の記事でじっくり語るつもりですが、期待以上にいい仕事をしてくれるレンズだという印象を受けています。
室内装飾は勿論、日当たりなども計算し尽くされているこの建物。窓際に置かれるとガラスの美しさがより一層際立ちます。
美術館というと、天候に左右されないことから雨の日のお出かけ先として候補に挙がることもあると思うのですが、ここはお日様が出ている晴れの日にこそ訪れたい場所だと感じました。
私が一番心惹かれたのがこの香水瓶。明るい青がとても綺麗で何をモチーフにしているんだろうと作品名を見ると『カシス』とのことでした。紫だと思ってたYO。ショーケースの反射がさらに作品の美しさを際立たせていました。
こういうミニチュアとF1.8のとろけるようなボケの相性は抜群ですね。たまりません。
カシスの香水瓶と並んで心惹かれたのがこの金魚皿。ガラス越しにゆらめく光がとても綺麗でした。
各作品の美しさ、計算され尽くした建物の美しさ、それをさらに計算し尽くした展示物の配置。『楽しかった』というより『癒やされた』という表現の方がしっくりくるくらい、贅沢な空間に没頭できたひとときでした。
おわりに
オールドレンズに不慣れすぎて上手く撮れなかったり、帰って見返したらピントが合っていなかったりと、ブログに載せられる写真が少なくなってしまったのですが、これら以外にも素敵な作品が本当にたくさんあって、気付けば2時間くらい経っていました。
今回はかなり苦戦しましたが、コツを掴めれば『スマホでは撮れない写真』が撮れるのは間違いないなと感じたので、時間をかけて仲良くなっていきたいなと思います(*’▽’)ん…?今沼の入り口が見えたような…
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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