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【Lightroom】カラーグレーディングで写真が一気にエモくなる件

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ここ1年弱バタバタしていて写真から遠ざかっていたのですが、久々に戻ってきてまた色々な写真を見始めて思ったのです。なんかみんなの写真、エモくなってね?

『私もエモいの撮りたい!』ということで、色々調べてみたところ、そこでエモい写真の鍵を握る明暗別色補正の存在を知りました。今更とかそういうこと言わない。

しかもタイミングが良いことに、先日のLightroomのアップデートによって、この明暗別色補正がカラーグレーディングとしてパワーアップ。

というわけで!今回は私自身の勉強も兼ねてカラーグレーディングの使い方などをまとめてみたいと思います(*’▽’)

目次

カラーグレーディングで仕上げる写真がめっちゃエモい件

突然ですが、上のAとBのうち、どちらの方がエモい雰囲気を感じますか?私はBです。

言うまでもないのですが、この2つの写真の違いは色。そして、この色を演出しているのがカラーグレーディングです。

そもそも『エモい写真』とはどういう写真なのか

具体的にどこが素敵かと聞かれると上手く言葉にできないけど、『なんかグッとくる』ことを3文字で表現できる便利な言葉、エモい。

そんなじんわりと心惹かれるエモい写真を撮りたいわけですが、そのためにはまずどういう写真ならエモく感じられるのか紐解く必要があります。

これについては明確な正解はないと思うのですが、私なりに考えた結果『空気感が見える写真=エモい写真』と解釈していたりします。

例えば、紅葉に彩られた趣あるお寺を撮った時。

写真に記録される色情報は『赤』だけかもしれませんが、私たちが『綺麗だな』と感じるとき、その時頬を撫でた風の温度や香り、『懐かしい』『ずっと来たかった』といった心情など、目に見えない要素もその景色に含まれているはずです。

『めっちゃいい!』と思ってシャッターを切ったのに、家に帰って見返したらなんか微妙…ということもよくありますが、その理由は、それら抜きでその景色を見ているから。

逆に言えば、その目に見えない空気のようなものを写真上に再現できれば、心にグッと来るエモい1枚になる可能性が出てくるわけです。

このことを踏まえて、私がエモいなーと感じる写真を改めて思い返してみると、どれも薄い色のベールみたいなのをまとっているように見えて。これが『写真の空気』なのかも?と思い始めたのです。

色の調整といえばホワイトバランスじゃないの?

ここまでの内容をまとめると、『エモい写真は色の演出がカギ』というのが私なりの仮説。ということは、色だしホワイトバランス(以下WB)か!ってなりますよね。

私が一眼を買って最初に覚えた撮影知識は『F値を小さくすると背景がボケる』、2番目に覚えたのは『写真の印象を変えたいときはWBをいじる』でした。

色々調べて試した結果、WBは色の『調整』には便利なのですが、『演出』には適していないと感じ始めたんです。

カラーグレーディング(明暗差色補正)とは

Lightroomのカラーグレーディングとは、写真の明るい部分・暗い部分・その中間(ハイライト・シャドウ・中間層)のそれぞれの色味を別々に補正できる機能のこと。

アプデ前の名称である『明暗差色補正』の方が、イメージしやすいかもしれません。

細かい使い方を述べる前に、まずは何が出来るのか・WBとどう違うのか写真で見比べてみましょう。

例えばさっきのこの写真。

ラジカセといえば古い、古いものを写すといえばフィルム。というわけで、私が小学生の頃に校外学習などで使っていた、写ルンですで撮った時のような少し青や緑に寄った色味にしてみましょう。

まずは、WBで青に色味を調整したもの

違いが分かりやすいように気持ち大袈裟にレタッチしているのもありますが、写真全体が青くなってしまい、エモさより違和感が勝っている印象です。

そしてこちらがカラーグレーディングで青を足したもの

同じ『写真の色味を青に寄せる』でもWBとは仕上がりが全く違うことが分かると思います。ちょっと懐かしい雰囲気を醸し出せているような気がしませんか?

WBとカラーグレーディングの違いって?

WBとカラーグレーディングの違いを、私なりの言葉で表すと、

  • WB:写真全体の色の基準を決めるもの
  • カラーグレーディング:写真の部分ごとに色付けするもの

といった感じ。

さっきの例で言うと、WBを変えると写真全体の色基準が青にシフトされるので、WBだといまいち思ったように仕上がらなかったというわけです。

一方でカラーグレーディングの場合は、シャドウ部に青色を乗せているイメージ。色のベールによって写真に空気感が演出できることで、なんかエモっぽくなる気がするんです。

私のカラーグレーディングの使い方

というわけで、ここからは実践のお話。

私も今色々勉強しているところなので、『教える』というスタンスではなく『私にとってイメージ通りに仕上げやすいやり方を紹介する』という感じでお話していきたいと思います。

なお、違いの見えやすさを優先するため、気持ちオーバー気味に仕上げているので、多少の違和感には目を瞑ってもらえますと幸いです。

今回使う写真

今回レタッチするのは、秋の圓光寺の入り口で撮ったこの1枚。

Lightroomのアプデがあったのが栃木・日光に紅葉を撮りに行く直前だったので、秋の写真で『もっとエモい写真になる予定だったのに…』と眠らせてしまったこの写真で練習していました。

晩秋の空気の冷たさと、昼下がりのお日様のあたたかさが混ざり合う雰囲気、みたいなのを演出するのが目標です。

①基本補正をしっかりと

レタッチはよく料理で例えられますが、カラーグレーディングは隠し味みたいな位置付け。

ということで、下ごしらえである基本補正はしっかり丁寧に。特にWBに関しては、写真の色の軸が決まっていないことには、色を演出しようがないので慎重に調整するようにしてます。

このあたりの基礎的な部分は、下の記事と今も変わっていないので、よければこちらも参考にしてみてください(*’▽’)

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②トーンカーブでフェードをかける

繰り返しになりますが、カラーグレーディングはシャドウ・ハイライト・中間層のそれぞれに色を足す補正。ただ、暗いシャドウ部分は色を足してもいまいち分かりにくいんですよね。

写真全体がその色のベール・空気をまとっているかのように演出するために、暗い部分を少し持ち上げ、写真にフェードがかかったような状態にすることが多いです。

黒レベルやシャドウを上げても良いのですが、最近は微調整が効きやすいトーンカーブを使ってまして。具体的にどうするかというと、上のような形にカーブを曲げます。

この形を知ったのは、このブログの読者さんの7-8割が履修していると思われる、みんな大好きログカメラの記事がきっかけ。

最近海外フォトグラファーのレタッチ動画もちょこちょこ見るのですが、上の形を知った上で見ると、マジでみんなこんな感じにしていて。

『写真が上手くなるためには、まず上手い人を徹底的に真似る』がウチの家訓です。

というわけで、トーンカーブでフェードをかけたのがこちら。これだけでもちょっとエモさが増しました。

Before/After

③カラーグレーディングで色を演出する

下準備が整ったら、いよいよカラーグレーディングの出番です。

これを触り始めたとき、まず悩んだのが、どういう基準でシャドウ・ハイライト・中間層を使い分けるのかということ。

これは人によって考え方が異なると思うのですが、現状私は下のように使い分けています。

  • 写真の色の印象を決める→シャドウ
  • 差し込む光の色を変える→ハイライト
  • 全体調整→中間層

シャドウを調整して、もう少しこの色味足したいなと思ったらハイライト…と、順番に使っていくイメージ。正直なところシャドウしか使わないことも多いです。

Adobe公式ブログにも『全て使う必要はありません』と書かれていましたが、考えなしに全部分弄るとよくわからない写真になりがちなので、目的を持って使うのがベターかなと思います。経験者は語る。

今回は、秋の空気の冷たさと昼下がりの暖かさを演出したいので、上の写真にカラーグレーディングでシャドウ部分に青を・ハイライトにオレンジを足してみると…

こんな感じ。WBでは難しい色味のニュアンスを演出することができています。

WBで青に寄せたものと比べると、カラーグレーディングが元の色はあくまでそのままに色味を演出できるのが伝わるかなと思います。

私がWBの使い方が下手という可能性も大いにあるので、WBで色を演出するのがダメというわけでは断じてないのですが、カラーグレーディングの方が色の設計がしやすいのは確かだと思います。

ちなみに、実際のカラーホイールはこんな感じ。

合成・バランスという項目がはじめましてだったので、最初は分からなかったのですが、

  • 合成:各部分の色調補正の境界をどれくらいハッキリさせるか
  • バランス:シャドウ・中間層・ハイライトの3つの色調補正をどういう比率で適用させるか

というイメージで調整しています。

今回は、光の部分のみ温かさを加えたかったので、バランスはシャドウ寄りに。オレンジがかかりすぎないように合成の値も高くして仕上げてます。

完成!

撮って出し
レタッチ後

というわけで、ビフォーアフターはこんな感じになりました。

『見たままの色』とは一味違う、温かみがありつつも少し寒色の空気もまとった、うまく言えないけれどいい感じ、つまりエモい雰囲気に仕上がって満足です。

カラーグレーディングの活用例

こんな感じで、微妙な色のニュアンスを演出できるカラーグレーディング。まだまだ勉強中ですが、写真の幅がグッと広がったのを感じます。

せっかくなので、この楽しさは少しでも伝わればいいなという願いも込めて、最後にいくつか作例をシェアしたいと思います。

雨の空気を演出

肌寒くて、でも息を吸い込むと深い緑の香りで胸が満たされてとっても気持ちよかった雨の日光東照宮。

シャドウには雨の冷たいイメージから青色を、ハイライトには木々の色に近い緑寄りの青を足したことで、その空気が少し演出できているように感じます。

Before/After

映画のような雰囲気を演出

『ただ撮っただけ』みたいな1枚になりがちな街角スナップ。

映画のワンシーンのように仕上げるべく、シャドウ部に青・ハイライトにオレンジを足しました。ちょっとエモくなったと思いませんか?私は思うのでこれはエモい写真です。

Before/After

この青とオレンジに寄せるアプローチは、映画の色調補正でもよく使われるのだとか。

ぶっちゃけ、迷ったらシャドウ部に青を足せば70%くらいの確率でなんかエモくなります

斜陽の演出

紅葉の色はそのままに、緑の部分は紅葉とのコントラストを表現するため適度に青さを残しつつ、眩しいくらいの斜陽はオレンジ色で表現したい…。

ホワイトバランスだけでこれを全て実現するのは至難の業ですが、カラーグレーディングを使うことでグッとイメージに近づけることができました。

Before/After

(トリミング履歴が残っておらず、若干縦横比に違いがありますが大目に見てください)

シャドウに緑・ハイライトにオレンジ・全体的なバランス調整のため、中間層に青を足しています。ホワイトバランスは、紅葉が見たままの色になるように調整しました。

夕焼けの捏造

最後は少し悪ふざけ。

まだ下手なので違和感マシマシなのですが、上手いことやれば夕暮れも捏造できます。ちなみに、これはハイライトにマゼンタ・シャドウにオレンジを足しました。

好きか嫌いかは置いといて、カラーグレーディングがどれだけ写真の幅を広げてくれるのかが伝わる例かなと思います。私はもう何を信じればよいのか分かりません。

おわりに

これまで写真を趣味にする中で『もっと早くに知っておけばよかった』と思ったものは数知れずあるのですが、それをランキング化したらTOP3に入るであろうカラーグレーディング。

まだまだ私も勉強中なので、またなにか新しい気付きがあったらシェアしたいと思います(*’▽’)

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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