口癖が『単焦点レンズ欲しい』の皆さん、どうもこんにちは。単焦点レンズ欲しい。
世の中には色んな単焦点レンズがありますが、その中で特にメジャーなのが35mmと50mm。
でも用途の違いがいまいち分からなくて、どちらを選ぶべきか悩んでいるという人もいるはず。かつての私がそうでした。
というわけで!今回は35mmと50mmのうちどちらかひとつだけ選ぶとしたら?というテーマで、私の経験も踏まえてあれこれ考えてみようと思います(*’▽’)
35mmと50mm、ひとつだけ選ぶとしたらどっち?
『標準レンズ』ってなんだろう?
この記事を読んでくださっている方の中には『50mmは標準』というフレーズを耳にされた方がいらっしゃるかもなんですが、そもそも標準レンズって何なんでしょう?
実は標準レンズに明確な基準はないんですが、私なりの言葉で表現すると『普段の人間の視野に近い範囲が写る、使い勝手の良いレンズ』というイメージ。
そして数ある単焦点レンズのうち、『標準』の候補によく挙がるのが50mmと35mmで、
- 50mm→人が何か一点を見つめているときの視野
- 35mm→人がぼーっとしているときの視野
と同じ範囲が写ると言われていたりします。
私が初めて手にした単焦点は換算50mm
Nikon D5500を買った私が初めて手にした単焦点は、AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G ED。35mm換算で52.5mmとなるレンズです。
その頃は『35mm換算』がなんなのかすらもイマイチよく分かっていなかったんですが、
- ニコンの単焦点の中で一番売れてるレンズらしい
- 換算50mmは『標準』らしい
と聞き、それならこれを選んでおけば間違いないだろうというノリで決めました。
ここからがいよいよ本題なのですが、この換算50mmになるレンズ、使い始めた率直な感想は『かなり狭くて使いにくい』でした。
ファインダーを覗いてみたら写る範囲が思っていたよりもかなり狭かったり、被写体に近すぎたり。正直『これ(50mm)が標準なんてウソでしょ?』と思ったんです。
50mmが狭くて30mmを買い足す
せっかく買ったし…としばらくは頑張っていたんですが、どうも50mmが合わなかった私。
ただ単焦点で撮ることは大好きだったので、50mmよりも広い単焦点を買おうと思い立ち選んだのがAF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED。D5500に着けると換算30mmになるレンズです。
先に述べたように、50mmは人が何かを見つめているときの視野なのに対し、35mmは人がぼーっとしているときに見えているときの視野とほぼ同じ。
言い換えると、35mmだと私たちの目に映っている景色と、ファインダーを覗いた時に撮れる範囲がほぼ同じになるんです。
そもそも普段の生活において、何か一点を見つめることよりも、目の前に広がる光景を全体的に見ることの方が多いはず。
だから見たままの範囲が撮れる35mmは本当に使い勝手が良くて、私にとっての『標準』は35mmなのだと感じ始めました。
ズームレンズを使って分かった、真の『私がよく使う焦点距離』
単焦点レンズの魅力にすっかりのめり込み、D5500ではずっと単焦点ばかり使っていた私。
そんなある日、大きな転機が訪れました。そう、フルサイズデビューです。
この頃から『単焦点で撮る』ことよりも『シャッターチャンスを逃さない』ことにこだわるようになった私は、D750の標準ズームレンズとしてAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDを選びました。
このレンズがもう今までの私のズームレンズのイメージを覆す1本で。
手にして以来、色んなものを色んな焦点距離で撮るようになったんですが、ある日私の中でお気に入りになる写真は実は35mmよりも50mm近辺で撮られていることの方が多いことに気が付いたんです。
35mmは万能ゆえに平凡な印象になりがち
35mmは見たままを写せるので確かに使い勝手は良いんですが、目の前の光景をただ撮っただけの写真になってしまいがちで。
『写真は引き算』なんてフレーズがあるように、印象的な1枚を撮るにはなんでもかんでも写すのではなく、写さないということも大切。
しかし、被写体の取捨選択をするには35mmではちょっと広すぎるんですね。
使いやすさゆえに35mmが標準だと感じ始めていましたが、35mmという画角で良い写真を撮ることは思っていた以上に難しいと感じられてきました。
50mmは『作品』が撮りやすい
対して、50mmだと写る範囲が狭いおかげで無駄なモノが写り込まない。
カメラを持ってすぐの頃の写真って、今と比べてびっくりするくらい被写体の取捨選択や引き算が全くできていなくて。構図とかが微妙だったのは実はこのことが原因だったんですね。
50mmの場合、意識していなくても無駄なものが写り込まないし、ある程度狭い分その1枚における主役が自然と決まる。
だからおのずと何が撮りたいのか明確な、印象的な『作品』が撮れていたというわけです。
目の前の世界を『閉じ込める』か『切り取れる』か
ズームレンズメインで撮り歩くようになってから、
- 35mm:目の前の世界を閉じ込める画角
- 50mm:目の前の世界を切り取る画角
だと感じていて。もう少し噛み砕いて言うと、
- 35mm:自分の目に映るもの全てを1枚に収めることができる
- 50mm:目の前に広がる世界のうち、自分が『ここがいい!』と思った部分だけを切り取って写すことができる
こんな感じ。自分の感性のままに『切り取る』ことは写真の楽しみの一つと言えますし、私がお気に入りだと感じる写真の多くが50mmで撮られていたのはこれが理由なのかなと思います。
35mmと50mm、どちらかひとつだけ選ぶとしたら?
ここでようやく記事タイトル回収。
私自身色んなレンズを使って35mm・50mmそれぞれのいいところを肌で感じてきた上で、もし『35mmと50mmどちらか一本だけを選べ』と言われたら、次のように考えます。
『はじめての単焦点』なら50mm
ここまで『50mmは狭いと感じた・使い勝手が悪かった』『35mmは見たまま写せて使い勝手がよかった』という話をしてきたので、もしかしたら驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
でもあれこれ考えてみた末に、初めての単焦点なら50mmが標準という結論に。その理由は2つあります。
ひとつめは、50mmは初心者が作品を撮るのに最適だと感じるから。
先ほども述べましたが、50mmは少し狭さを感じられる分、余計なものが写り込まない画角。
そんな50mmを使っていくことで、被写体を取捨選択する感覚が自然に身につくと思うんです。
よく『プロっぽく見える構図テクニック!』みたいなものが紹介されていたりするんですが、ああいうのって実は撮りたいものが明確になってないと全く意味がなくて。経験者は語る。
50mmを使うことで、写すものと写さないものの取捨選択が自然とできるようになる。つまり、構図の基礎を自然と覚えることができる。これが私が初めての単焦点なら50mmだと考える理由の一つです。
もうひとつの理由が、背景ボケ。
背景をボカしたくて単焦点レンズを買おうか迷っている方は多いと思うんですが、実は背景のボケやすさには、F値の小ささの他に焦点距離の長さも大きく影響します。
せっかく単焦点レンズを買うなら、思いっきり背景をボカしたい!という方も多いと思うので、その点からもやっぱり初めての単焦点なら50mmかなと思います。
『単焦点1本しか持っていけない』と言われたら35mm
ただ、『どうしても撮影に単焦点1本しか持っていけない』と言われたら、50mmではなく35mmを選ぶという結論に。
風景や食べ物・人物写真などなど、単焦点であらゆる場面を撮る場合は『見たままの範囲が写せる』のはかなり有利。50mmのような大きな背景ボケや、構図の決めやすさはないんですが、50mm以上の万能さを持った焦点距離が35mmだと感じています。
おわりに
今回の内容をまとめると、こんな感じ。
- 万能に使える単焦点レンズが欲しいなら換算35mm
- 背景をボカした印象的な単焦点レンズが欲しいなら換算50mm
はじめての単焦点選びの場合、分からないことや悩んだりすることもあると思います。
でもレンズを選んでいる時が一番楽しかったりしますし、この記事がみなさんのレンズ選びの少しでもヒントになれば幸いです(*’▽’)
最後まで読んでいただきありがとうございました!