長く写真を趣味にしていると、定期的にマイブームの波ってありますよね。今の私は16:9がキテいます。
その理由はタイトルにある通り『なんかオシャレでいい感じに見えるから』なのですが、これまで『センスがない分、しっかり考えて撮る』をモットーにしてきた私としては、どうして16:9だとおしゃれに見えるのかを考えてみたくなりまして。今回はそういう話です。
アスペクト比を16:9にすると写真がいい感じに見える理由【仮説】
1.被写体が絞られるから
16:9の写真って、いつも撮っている3:2の写真より面積が小さいにも関わらず、すごく目を惹かれるのが不思議で。でも、狭くなることこそが写真が印象的になる理由。
構図の基礎の基礎という記事でも述べたのですが、印象的な1枚を撮る上で、まず大切なのが被写体を明確にすること。言い換えると、被写体の取捨選択です。
人が『この景色素敵!』と思うとき、実際に視界に入っている景色と比べて、素敵と感じる部分はほんの一部分。見えている景色と見ている景色は全く異なります。
撮り始めて間もない頃、写真を見返して『肉眼で見たときもっと素敵な景色だったのにな』と自分の写真にガッカリしたことが何度もあって。
これは『目の前の光景をただ撮っただけ』では、『綺麗だと注視している景色』と『その周りに見えている景色』が区別されず同じようにフレーム内に写ってしまうことが理由だと考えています。
この手の話、昔どこかでしたような…と思ったら『35mmと50mmどっちが使いやすいか』を考えた記事にも書いてました。というか、これ4年前なんですね…。
話を戻すと、16:9にすると縦が短くなり上下が強制カットされますよね。
どれだけ『無駄なものを写さないように…』と意識していても、視界に入ってきてしまう以上どうしても広く写してしまいがちなのですが、16:9にするとちょうど良い感じに『綺麗だと注視している景色』が絞られやすい。これが16:9の写真が目を惹きつけやすく、印象的でおしゃれに見える理由のひとつかなと思っていたりします。
やっぱり写真はちょっと狭いくらいがいいのかもしれません。勿論時と場合にはよりますが。
②見る人の目線の動きが制限される
ところで、みなさん縦と横どちら向きで撮ることが多いですか?
私は写真を始めたての頃は90%近く横構図だったのですが、最近は縦横半々くらいで、具体的には、奥行きを演出したい時は縦構図・広がりを演出したい時は横構図で撮ることが多いです。
その理由は、写真を見る人の目線は上の図のように距離が長い方に動くというイメージがあるから。
縦構図だと目線は上下に動くので、写真の下に写る近くの景色から上に写る遠くの景色までを見渡すような奥行きが感じられる。対して、横構図にすると目線は左右に動くことから、辺りを見渡しているような広がりを感じられるという話です。
とはいえ、なんだかんだ3:2では、縦横両方に目線を動かせる余裕があるので、どこに注目するかは見る側にある程度委ねられます。だから、広さもありつつ奥行きもある風に演出できたり、逆に広さを演出したいはずが上手く伝わらない1枚になることもしばしば。
それが16:9になると縦に動くスペースが限りなく少なくなるので、横に見るしか選択肢がなくなる。これが見出しの『視線のコントロール力が強い』というやつです。
そもそも綺麗な景色の写真にパッと目が惹かれるのって、根っこは『普通の景色となんか違う』だと思っていて。
視線をコントロールすることで『普通の見え方となんか違う』という第一印象を与えて、取捨選択されて明確になったメインの被写体を見せることができる。16:9の写真が『良い感じ』に見える流れはこういう感じなのかなあとも考えていたりします。
③写真に動きを連想できるようになるから
『ちょっと何言ってるかよく分からない』って感じの見出しですが、個人的には結構しっくりきていたりする内容でして。まあ話半分に流してください。
写真は、当然ながら平面であり静止画ですよね。普段SNS等で色んな上手な写真を見ていると、ひと目で『おっ』と思う写真って、この“当然平面であり静止画”ということを少しだけ覆せる要素を持っているような気がしていて。
先程『写真を始めたての頃は横構図ばかりだったが、最近は縦横半々くらい』と述べましたが、そう変わった理由が奥行きのある写真が撮りたくなったから。写真という平面に奥行きという三次元要素を演出できると『なんかすごい写真』に見えやすい気がするんですよね。あくまで当社比ですけどね(*’▽’)
で、16:9は『写真は静止画である』という当たり前にスパイスを足せる方法だと考えていて。
なぜなら、16:9は映画の画面比率に近いから。厳密に言うと、映画館においては16:9ではありませんが、テレビは見るときは16:9で放映されることも多いので、私の中では16:9=映画というイメージが強いです。
話を戻すと、16:9にすると映画のワンシーンっぽくなるからカッコいいという話なのですが、個人的には『ワンシーン』というところを一歩掘り下げたところに、16:9だと写真が良い感じに理由があると考えているんです。
上手く言葉にできないのですが、普通の写真だと『目の前にある景色を撮ったもの』で、16:9で撮ると『目の前にある景色の一部分を撮った』みたいな印象に感じられて。見えている景色の一コマ・ワンシーンを切り取った、みたいな。
『16:9は映画であり動画』と私の中では結構強めにインプットされているようで、16:9の景色を見ると『なんかズームしそう』とか『左右にカメラ動きそう』みたいなのを反射的に連想してしまう。言い換えると、写真に動きがイメージできるというわけです。
あくまで私の想像に過ぎませんが、16:9の写真がなんかストーリー性のあるエモい1枚に見えやすいのはこういうことかなあと考えていたりします。
まとめ:ひとつの表現技法として使いたい
あれこれ考えながら『写真 アスペクト比』で検索していたら、デフォルトで3:2と16:9どちらで撮るべきかといった議論もチラチラ見かけたのですが、私はあくまでも基本は3:2だと思っています。
私たちの視界は縦にも横にも広がっていますし、目に入ってくる景色を撮るという意味では、縦横どちらもそれなりにスペースがある3:2が一番バランスが良く自然なので、16:9は表現技法のひとつという位置付けです。
黒帯を付けると更にそれっぽくなるのも楽しいところ。動画同様カラーグレーディングで色を作り込むとさらにおしゃれになるので、今後もガンガン16:9活用していきたいと思っています(*’▽’)
おわりに
頭の中にあることをバーっと書き出して整理したおかげで、今後は目的をもって16:9を活用できる気がします。とりとめのない文章にここまでお付き合いいただき感謝です。
参考になるようなことを書けた自信が全くありませんが、これまで一度もアスペクト比変えたことないよという方は是非これを機に試してみてください(*’▽’)
最後まで読んでいただきありがとうございました!