カメラを手にして『もっと自分で設定して撮りたい!』と思った時、多くの人がまず最初に試す撮影モードが絞り優先なのではないでしょうか。
自分でボケ具合を調節して撮るのは本当に楽しいですし、初心者でも扱いやすい撮影モードなんですが、思い通りの1枚を撮るためにはいくつか気を付けるべきポイントがあります。
というわけで!今回は初心者が絞り優先を使う時に気をつけたいことを、私の失敗を基にあれこれまとめてみたいと思います(*’▽’)
絞り優先を使う時に気を付けたい5つのこと!
1.手ブレに気を付ける
絞り優先では、撮影者が決めたF値に応じて、目の前の光景を明るく綺麗に写すために必要なシャッタースピードをカメラが決めてくれるのですが、夜景を絞り優先で撮ると高確率でブレてしまいます。
例えば上の写真は、私がカメラを買ってすぐに手持ちで撮影したもの。
このとき私は絞り優先でF3.5・ISO400に設定していて、カメラが計算してくれた『明るく写すために必要なシャッタースピード』は1/8秒。これ、今見るとあり得ない設定なんです。
『カメラには手持ちで撮影しているかどうかなんて分からない』という当たり前のことに気付いたのがカメラを手にしてしばらく経ってからだったので、昔の写真を見返すとブレてる写真がめちゃくちゃ多くて。
『このときもっとちゃんと設定しておけばよかったな…』と後悔しないためにも、絞り優先で撮っているからこそシャッタースピードもしっかり意識するように心がけましょう。
絶対に覚えておきたい『手ブレしないシャッタースピードの基準』
シャッタースピードが1/焦点距離秒を下回っていないかをチェックすることで解決できます。ここテストに出ますよ。
1/焦点距離秒は、手ブレしないシャッタースピードの基準と言われていて、これよりも遅くなると手ブレのリスクが高くなります。
例えば、50mmで撮りたいときは、手ブレせず撮るためには1/50秒が必要。さっきの失敗写真は15mmで撮影していたので、1/15秒以上が必要だったわけです。
まとめると、絞り優先でも手ブレなく撮るためには、
- 自分が今何mmで撮ろうとしているのか確認する
- カメラが決めてくれたシャッタースピードが1/焦点距離秒を大きく下回っていないか確認する
ことが大切。手ブレ基準を下回っている場合はISO感度を上げるか、F値を小さくして明るさを補いましょう。
2.被写体ブレに気を付ける
カメラを手にするまでは、『写真のブレ』というと手ブレしか知らなかったんですが、実はもうひとつあります。それが被写体ブレ。
被写体の動きを止めるためにシャッタースピードが追いついていないと、撮影者のカメラを持つ手はブレていなくてもブレた写真になってしまいます。
繰り返しになりますが、絞り優先はシャッタースピードをカメラに任せる撮影モード。
撮りたいものが動体なのかどうかもカメラには分からないので、被写体の動きを止められるシャッタースピードを設定してくれるとは限りません。私自身、ディズニーのショーパレードを『背景をボカしたいから』という理由で絞り優先で撮っていた時期があったんですが、もう盛大にブレまくってました。
私のような失敗を起こさないためにも、動体撮影では絞り優先を使わないようにしましょう。
3.ISO感度の上がりすぎに気を付ける
上げることでカメラの光への反応が良くなり、暗い場面でも明るく手ブレなく撮ることができるようになるISO感度。ただ、上げすぎるとノイズが発生してザラザラとした画質の荒い写真になってしまいます。
主に夜景撮影において、絞り優先では意識していないとISO感度が跳ね上がりがち。私もその経験者なのですが、対策をしておけばISO感度を上手く使って撮ることができます。
【解決策①】自分だけの『ISO上限』を決めておく
カメラの性能的に上げられるISO感度の上限と、綺麗な写真を撮る上で使える実用的なISO感度の上限は全くの別物。ISO25600まで上げられるからといって、めいいっぱい上げるとノイズが大惨事になります。これテストに出ますよ。
高感度耐性はカメラによって大きく異なりますし、ノイズの感じ方も人それぞれなので、『ここまでしか上げちゃダメ!』というラインはありません。
なので、あれこれ撮ってみて、これくらいなら上げても大丈夫・ノイズが気にならないといった『自分の中でのISO感度上限』を決めておくと設定がグッと楽になりますし、綺麗な写真が撮りやすくなります。
ちなみに、私は今使っているカメラではISO3200を自分で上限としています。
【解決策②】ISOオートをやめる・上限を設定する
ISO感度をカメラ任せにできる便利なISOオート機能。撮影がかなり楽になるのですが、必要以上にISO感度が上がってしまうことも少なくないため、フルオートはあまりお勧めしません。
一番手軽な方法は、ISOオートに上限を設定すること。その上限というのが、先程述べた『自分のノイズ許容範囲』のラインです。現在発売されているカメラであれば、大半のものはISOオートに上限が設定できると思いますので一度調べてみてください。
よりいい写真を追求したいという方は、オート機能に頼らず、F値と一緒に自分でISO感度も設定してみましょう。難しそう…と思われるかもしれませんが、流れとしては、
- 撮りたいF値に設定
- 『1/焦点距離秒』になるまでISO感度を上げていく
だけ。『1/焦点距離秒』は、先程述べた手ブレしないシャッタースピードの基準のことです。
ISO感度は写真のクオリティを決める重要な要素のひとつなので、オートではなく自分でしっかりと設定してあげられるようになると写真がもっと楽しく・もっと思い通りになると思います(*’▽’)
4.露出過多に気を付ける
背景をボカすのに適した、F値の小さな単焦点レンズ。ただ、明るい場所でF1.8など小さい数字に設定すると、写真が不自然に明るくなってしまうことがあります。
上の写真がまさにその例。この現象を露出過多と言います。
明るいレンズがあると、どうしてもF値を一番小さくしたくなってしまうのですが、昼間の屋外などでF1.8で適切な明るさに写そうとすると、かなり速いシャッタースピードが必要になります。
上の写真の場合、使用したカメラのシャッタースピード上限は1/4000秒。これでもF1.8で撮るにはシャッタースピードが遅すぎたんです。
エントリーモデルは1/4000秒が上限のボディも多いので、不自然に明るくなって、かつシャッタースピードがカンストしている場合はF値を上げましょう。
5.ボケすぎに気を付ける
これまた明るい単焦点レンズで絞り優先を使うときの話ですが、なんでもかんでも一番小さなF値で撮っているとなんでもかんでもボケすぎてしまいがち。
キリッと写っているところがあってはじめて、背景ボケが綺麗に見えるので、背景をボカしたい時こそ気持ち少しF値を上げることを心がけましょう。
ちなみに、撮影用語で一番小さなF値のことを『開放』、F値を上げることを『絞る』と言います。レンズは少し絞ったくらいの方が描写力が向上する傾向にあるので、その意味でもF値を細かく調整できるようになるとより1枚が撮れるようになると思います(*’▽’)
おわりに
初心者でも簡単に使える撮影モードでありながら、意外と奥が深い絞り優先。このモードを思い通りに使いこなせるようになった頃には、マニュアルで設定を決めなければいけない!という場面でも難なく対応できるくらいに設定の知識が身についているはずです。
今回この記事で紹介したポイントをしっかり押さえて、楽しいカメラライフを過ごしてくださいね(*’▽’)
最後まで読んでいただきありがとうございました!