写真を趣味にしているとたまに『おすすめのカメラ教えて!』と言われることがあります。先日久々この手の相談を知人から受けたのですが、結構モゴモゴしてしまいまして。
一旦カメラを買うと、興味がカメラから写真撮影にシフトしてしまって、最新機種の情報が入ってこないからというのもありますが、とにかく今のご時世スマホが最強すぎて『おすすめ』するハードルが本当に高いのです。
ただ、頼ってくれたのにモゴモゴするのは申し訳なく、スマホ時代でもおすすめできそうな最新機種を色々調べまして。せっかくなのでまとめたいと思います。
スマホ時代でもおすすめできそうなミラーレス一眼はどれ?
私の『おすすめ』の基準
『ミラーレス おすすめ』などで検索すると、本当にいろんな情報がヒットしますが、何を求め・何を基準にするかによっておすすめするものが変わってきます。
最初にこのあたりを明確にしておくと、私は
- 『一眼買ったな〜』と実感できるポテンシャルが高い
- 小さくて軽い
- 10万円前後
であればおすすめできるかなと思っていて。ということで、今回はセンサーサイズが大きめのAPS-Cミラーレス限定でピックアップしています。
どうしてAPS-Cかという説明は長くなってしまうので、内容が重複している旅行向けカメラ選びの記事に委ねます。よければ参考にしてみてください(*’▽’)
今回ピックアップしたカメラ一覧
- FUJIFILM X-A5
- FUJIFILM X-A7
- FUJIFILM X-T30
- FUJIFILM X-S10
- SONY α6100
- SONY α6400
- Nikon Z50
- EOS Kiss M2(Kiss M)
ということで、今回ピックアップしたのはこちらの8台。2021年1月時点でメーカー公式サイトに掲載されているモデルです。早速詳しく見ていきましょう。
FUJIFILM
FUJIFILM X-A5
- 予算5万円以内
- 圧倒的に小型軽量
- フィルムシミュレーションが楽しめる
- チルト式液晶
トップバッターはFUJIFILM。フジの特徴といえばフィルムシミュレーションですね。
フィルム製造のノウハウを活かした、色味表現フィルターのこと。スマホアプリでフィルム風加工を楽しまれている方も少なくないと思うのですが、限りなくフィルムに近いフィルム風が楽しめると言っていいでしょう。
難しい知識がなくても簡単に『雰囲気のいい写真』が撮れるのはものすごいメリット。実は私もFUJIFILMの色づくりに惹かれて、一時期購入を考えていました。
外観が少しチープな印象なのとAFや連写性能も必要最低限なので、お値段重視の人向けかなと思います。
FUJIFILM X-A7
- 予算5万円台
- X-A5よりさらに小さい
- 動画撮影時にフィルムシミュレーションできる
- 液晶画面が大きい
- より直感的に操作できるインターフェース
- バリアングル液晶
X-A5より動画撮影への意識を強めたモデルという印象。
動画撮影時のフィルムシミュレーションができるようになったり、バリアングル液晶でモニターを撮影者側に回転して自撮りがしやすい仕様になっていたり、よりこだわった動画撮影が出来るようにアップデートされています。
公式HPが分かりやすいのですが、インターフェースがかなり凝っていますね。スマホじゃなくてカメラで撮りたくなる、という意味でこういう点は案外大事だと思います。
また、X-A5と比べてモニターが大きく綺麗になっているのも個人的には惹かれポイント。
スマホがどんどん大画面化しているので、一眼も綺麗で大きめのモニターのものを選んだ方が満足度が高いと思います。モニターが微妙だと撮れた写真も微妙に感じられますからね。
FUJIFILM X-T30
- 予算10万円前後
- ファインダーがある
- 連射性能等がX-A7とは段違い
- USB給電ができる
Aシリーズよりも『カメラっぽい』仕様のTシリーズ。
ファインダーがあると、余計な視覚情報をシャットアウトして被写体に集中できるので構図が決めやすいというメリットが。個人的には『スマホと違った撮影体験ができる』という意味で、ファインダー付きのモデルを推したい感があります。
Aシリーズは『日常や旅の一コマ向き』という印象が強く、連写性能やAF周りは省略されているのに対し、Tシリーズはしっかりクリア。より幅広い場面で頼ることができる一台という印象です。
FUJIFILM X-S10
- 予算10万円オーバー
- 深いグリップ
- ボディ内手ブレ補正
- フィルムシミュレーションの種類が多い
『予算10万円前後』に入れるにはちょっとオーバーしすぎな気もしたのですが、調べていてかなり心惹かれたのでピックアップ。発売ほやほやの新モデルです。
惹かれた理由は、ボディ内手ブレ補正と深いグリップ。
APS-Cミラーレスかつボディ内手ブレ補正搭載の選択肢はSONY α6600・X-T4あたりですが、500g超えかつお値段15万超え。補正の度合いが多少落ちるといえども、465gでボディ内手ブレ補正搭載でこのお値段はなかなかに魅力的です。
ここまでのフジ機はどれも小型軽量化のためにグリップが浅く作られており、個人的にはかなり持ちにくく感じるのですが、X-S10はかなり深めなのもいいところ。
フィルムシミュレーションも他機種に比べて豊富。商品紹介ページがおしゃれですこ。
SONY
SONY α6100
- 予算10万円台
- グリップが深い
- キット標準レンズが小さくて薄い
すっかりミラーレスの代名詞となったSONY αシリーズのエントリーモデル。公式HPを見る感じではAF性能推しですね。
ボディが軽くなる分、レンズが大きくて重いと重心が持って行かれて首に負担がかかるのがネックなミラーレス。ネック(neck)だけに。その点において、キット標準レンズが電動式薄型レンズなのは魅力的だなと思います。
SONY α6400
- 予算10万円前後
- 防塵防滴に配慮した設計
- アンチダスト機能
- モニター解像度の向上
α6100の上位機種であるα6400。
カメラは精密機器なので、防塵防滴仕様はかなり魅力的。あくまで『配慮した設計』なので、水濡れは当然避けるべきですが、それでもだいぶ持ち歩きが軽快になります。
あと、ミラーレスは構造の都合上、カメラの心臓部分であるセンサーがむき出しになるので、埃や汚れの心配を少しでも減らしてくれるアンチダスト機能もありがたい仕様です。
X-A5/X-A7の時も触れましたが、個人的にはスマホ最強時代においてはモニターの質も重視したいポイントなので、解像度の向上もいいところ。そう考えると、一周回ってα6100よりα6400の方がコスパがいいような気がしなくもないです。
Nikon
Nikon Z50
- 予算10万円台
- 操作性を重視した小型軽量化
- キット標準レンズが小さくて薄い
そういえばここまで触れてませんでしたが、この記事の筆者はNikonユーザー。
カメラを小型軽量化しようと思うと、ボタンやグリップ部分を小さくせざるを得ないため、操作性との両立が難しいのですが、Nikonのこれは『操作性を保つことを第一にした、頑張りすぎない小型軽量化』という印象。
D5600 | Z50 | |
外寸 | 7cm×12.4cm×9.7cm | 6cm×12.6cm×9.4cm |
重さ(ボディのみ) | 465g | 450g |
重さ(キットレンズ込み) | 680g | 530g |
ただ、撮影周りの性能には差がない一眼レフのD5600と比較すると、大きさ重さにあまり変化がないように見えるのは気になるところ。
ミラーレス化によってレンズも小型軽量化が期待できるので、トータル的にみるとミラーレス化の恩恵はちゃんと受けられるとは思うのですが、初めてのカメラ選びでそれを根拠に勧められるかというと…うーん…。
Canon
EOS Kiss M2
- 予算10万円台
- 深いグリップを保ちつつ小型軽量化
- キット標準レンズが小さくて薄い
こちらも一眼レフっぽい見た目のミラーレス。グリップ部分が深くて持ちやすそうです。
さっきのNikon Z50が外寸6cm×12.6cm×9.4cmに対し、これは5cm×11.63cm×8.81cmなので一回り小さめ。性能のバランスはいい意味で特筆することがないといった印象です。
気になる点としては、このカメラに採用されているEF-Mマウントのレンズがバリエーションが少ないこと。
カメラを買う前だとピンとこないかもしれないのですが、写真のクオリティはレンズで変わるので、レンズの選択肢が少ないのは結構気になるところです。
余談ですが、Nikonはセンサーサイズが異なる上級機ともマウントが同じなので、選択肢が増える可能性は”まだ”あります。ただ、上級機用のレンズがどれも高いため、『現実的なレンズの選択肢』が増えるかどうかは何とも言えないという印象。
その点において、EF-Mマウントのレンズはどれも比較的低価格なので、そういった意味ではZ50もKiss M2もレンズの選択肢の数はさほど変わらないかもしれません。
なお、旧モデルのKiss Mからの主なアップデート点は瞳AFなので、瞳AFが必要ない方は旧モデル・Kiss Mを選ぶのもアリだと思います。
私がおすすめするとしたら?
- FUJIFILM X-A7
- FUJIFILM X-T30
- SONY α6400
これまで色んな写真を撮って色んなカメラを買ってきた私としては、『このあたりいいんじゃない?』と思ったのは上の3つ。
これらに共通する点は『ミラーレスとしての歴史が他と比べて長く、交換レンズの種類がそこそこ豊富』なこと。
以前『スマホがここまで綺麗に撮れるのに一眼は必要なのか』という記事を書いたのですが、現在における『スマホにはない一眼のメリット』はレンズ交換ができることです。
つまり、レンズ交換をしないのであれば、一眼を買うメリットが多少薄れてしまう。そう考えると、レンズの選択肢が少しでも豊富な方がスマホとの違いを感じられるポテンシャルが上がると思うので、上の3つを選んだというわけですね。
なお、既に撮りたいものやカメラの使用目的が固まっていて、レンズのバリエーションが必要ない場合、EOS Kiss Mはコスパ的にアリだと思います。
最近のカメラは性能が頭打ち気味で、旧モデルからマイナーアップデートしかされていないこともあるので、値段が落ち着いた型落ちを選ぶのはすごくいい選択肢です。
長くNikonを使っている身としては、Z50も推したいところではあったのですが、考えれば考えるほどD5600(一眼レフ)のコスパの良さを感じてしまうというなんとも言えない結果に。
ちなみに、質問者の知人には『X-A7・X-T30・α6400とレンズ要らないならEOS Kiss M、あと一眼レフだけど意外とD5600もありかもしれないから見てみて。ついでに私にX-S10買って。』と伝えました。
おわりに
ここ最近カメラの情報にキャッチアップする余裕がなくなっていたのですが、久々にカメラのことをいっぱい考えられて楽しかったです。
この記事が皆さんのカメラ選びにとって少しでも参考になれば幸いです(*’▽’)
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回おすすめとして選んだカメラ一覧(Amazon)
- FUJIFILM X-A7(予算5万円台・動画機能も充実)
- FUJIFILM X-T30(予算10万円台・バランス型)
- SONY α6400(予算10万円台/防塵防滴・アンチダスト)
- EOS Kiss M(予算10万円未満・コスパ良)