綺麗な夜景を撮るための必需品といえば三脚ですが、使用が禁止されている場所や、旅行などで荷物を最小限にするために三脚を持って行けない場合などもあります。でもそういう場面でも綺麗な夜景を撮りたいですよね。
というわけで、手持ちで綺麗に夜景を撮るコツを私なりにまとめてみたいと思います(*’▽’)
三脚なしで綺麗に夜景を撮るための設定はこれ!
- 撮影モード:マニュアル
- シャッタースピード:1/焦点距離秒から徐々に遅く
- F値:一番小さい数字
- ISO感度:許容範囲まで上げる
ちょっと曖昧な書き方に『ん?』と思われた方もいるかもしれないのですが、夜景といっても明るさも様々なのでそれぞれベストな設定は異なります。
でも、ポイントを押さえればどんな場面でも簡単に綺麗な手持ち夜景が撮れるようになります。できる限り噛み砕いてまとめているので、ゆっくり付いてきてくださいね(*’▽’)
なお、ここで紹介している設定は、あくまで三脚が使いたくても使えない場合の応急措置的な撮り方です。三脚を使った夜景の撮り方はこちらをどうぞ!
『綺麗な夜景写真』の条件とは
突然ですが、綺麗な夜景写真の条件ってなんだと思いますか?私は
- 手ブレしていないこと
- しっかりと明るく写せていること
- ノイズが少ないこと
の3つだと思っています。
これらは三脚が使えば全て簡単にクリアできるのですが、そうはいかないのが手持ち撮影。
大抵『ノイズを少なくしようとシャッタースピードを遅くして手ブレした』もしくは『手ブレしないようにしたらノイズが大量に出て画質が悪くなった』のどちらかで失敗します。
つまり、手持ちで綺麗な夜景写真を撮るためには、設定に優先順位を付けることが重要になります。
綺麗な手持ち夜景のカギは手ブレとノイズ
どれだけ明るくノイズも少なく写っていても、手ブレしてしまっていてはせっかくの写真が台無しになってしまいます。なので、まず何よりも手ブレしないシャッタースピードが最優先。
ただ、シャッタースピードを速くしようとむやみやたらにISO感度を上げすぎてしまうと、ノイズでザラザラとしてしまい、今度は画質が劣化してしまいます。
というわけで、私はいつも手ブレしないシャッタースピードと、できる限りISO感度を上げないことを優先した設定にしています(*’▽’)
実際に手持ちで夜景を撮ってみよう
ここまで述べてきた優先順位を基に、私が設定するときの手順はこんな感じです。どん!
- F値は一番小さい数字に
- シャッタースピードを1/焦点距離秒に設定
- 夜景の明るさに応じてISO1600-2000前後に設定
早速解説していきますね(*’▽’)
①F値を一番小さい数字に
『F値を小さくすると背景がボケる』で覚えている方が多いかと思うのですが、F値にはもうひとつ大きな役割があります。それが、レンズの光の通り道を調節すること。
F値を小さくするとレンズの光の通り道が広くなるので、一度に沢山の光が入ってくる。つまり短いシャッタースピードでも明るく写すことができます。
ということで、手持ち夜景撮影においては、まずF値は一番小さくしましょう。
『少し絞った方が描写力が上がる』というフレーズを耳にしたことがある方は、F値の小さな単焦点レンズをお使いの場合に限り一段程度絞ってもいいと思います
②シャッタースピードを1/焦点距離秒に設定
『1/焦点距離秒ってなんぞや』と思われた方も多いかと思うのですが、これはシャッタースピードには手ブレしない基準。具体例で考えると分かりやすくて、
- 50mmで撮るとき→1/50秒より遅いと手ブレしやすい
- 100mmで撮るとき→1/100秒より遅いと手ブレしやすい
ということ。手持ち夜景に限らず覚えておくと便利な基準です。
撮りたい構図が決まったら何mmで撮ろうとしているのかレンズを確認し、1/焦点距離秒にセットします。
③夜景の明るさに応じてISO1600-2000前後に設定
綺麗な手持ち夜景を撮る上で、設定の大きなカギを握るのが適度にISO感度を上げること。
じゃあその適度って具体的にどれくらい?という話になるんですが、これに関しては色々実験しました。
上の記事の内容を簡単にまとめると、カメラのモデルにもよりますが、ノイズを気にせず上げられるのはISO1600-2500あたりが目安。ということで、
- 撮りたい夜景が比較的明るい→ISO1000-1600
- 撮りたい夜景が暗め→ISO2000-2500
に設定しましょう。これで手持ち夜景の設定が完成です(*’▽’)
設定手直しのコツ
設定して撮ってみたものの、思っていたより暗かったり明るかったり。冒頭に述べたように、手持ち夜景は設定に一工夫いるので、こういうことも少なくありません。
ということで、ここからササッと設定を手直しして、100%思い通りの1枚をゲットする方法をまとめていきたいと思います。
設定を直すなんて難しそうな…と思われるかもしれませんが、ここまで読んできた皆さんなら絶対に大丈夫。ものすごく単純です(*’▽’)
シャッタースピードを遅くする
- シャッタースピードを段階的に遅くする
- ISO感度を上げる
の順番で設定を調節します。
『えっ、シャッタースピードは死守するんじゃないの!?』と思われたかもしれませんが、1/焦点距離秒はひとつの基準なので、これより遅くても手ブレしないことも。既にISO感度を高く設定しているので、シャッタースピードから手を加えると綺麗に撮れます。
上の写真は約50mmで『ISO1600 F4.5 SS1/50秒』で撮影したもの。わざと暗めに撮影したので、設定を手直ししてもう少し明るい写真にしましょう。
1/50秒から1/25秒までシャッタースピードを落としました。気持ち明るくなりましたね
記事のボリュームの都合上省略していますが、本来はもう少し段階的に調整するのが望ましいです。ちなみに、この写真で使用したレンズもそうですが、お使いのカメラが手ブレ補正を搭載している場合は、これくらいなら一気にシャッタースピードを落としても大丈夫なことが多いです。
なお、ぱっと見分からないような非常に小さなブレも、写真のクオリティには大きく影響することもあるため、シャッタースピードを下げたら必ず液晶画面で拡大して確認するのを忘れずに!
シャッタースピードを限界まで下げてもなお暗い場合
シャッタースピードの調整だけでは明るく撮れない場合は、ISO感度を段階的に上げていきましょう。
最初から高感度に頼って撮ってしまうとノイズでザラザラとしたかなり画質の悪い1枚になってしまうので、シャッタースピードとF値でできる限り明るさを確保した上で『最終兵器』としてISO感度を用いるのがコツだと考えています(*’▽’)
ただ、誤解してほしくないのが、ISO感度を高くせずに撮ろうという意味ではないこと。
ノイズを気にしすぎて、ISO感度を上げるのを過度にためらった結果、真っ暗な写真や手ブレした写真を量産してしまったら本末転倒。頼る部分はしっかりISO感度に頼ることも、綺麗な夜景写真を撮るための大事なポイントです。
ちなみに、肉眼でも暗いと感じる夜景は、カメラにとってはかなり暗いので、設定の手直しが面倒もしくはノイズはそこまで気にしないという方は、最初からISO2500程度に上げておくのもアリだと思います(*’▽’)
もっと!手持ち夜景写真を綺麗に撮るための4つポイント
①広角の方がブレにくい
『1/焦点距離秒』が手ブレしないシャッタースピードということは、焦点距離が長くなればなるほど分母が大きくなるので、より速いシャッタースピードが必要になる。
つまり、望遠になればなるほど手ブレにはシビアになるので、手持ちで夜景を撮る場合は広角で撮る方がブレの心配なく撮りやすいと言えます。
とはいってもズームして撮りたい夜景もあるはず。その場合は必ず一度拡大してブレていないか確認する習慣を付けておくと、お家に帰ってから後悔することがなくなると思います(*’▽’)
②手すりなどでカメラを支える
完全な手持ち撮影ではどうしても設定に限界がありますが、三脚はなくても何か少しでもカメラの支えになるものがあるだけでシャッタースピードに余裕が出て、より綺麗な一枚が撮れることも。
上の写真も手すりを活用したことで0.8秒までシャッタースピードを落とすことができました。
手持ちで撮影するときは、手すりなどのカメラを支えられそうなものがないか探してみるのも綺麗に撮るためのポイントだったりします(*’▽’)
③レンズに頼ろう!
手持ちで夜景を撮影する際、強い味方となるのが明るいレンズと手ブレ補正。
F1.8などより小さなF値を実現するレンズを『明るいレンズ』と呼ぶんですが、F値が小さくできるとシャッタースピードが短くても明るく写せますし、ISO感度に頼る機会も少なくできるので、手ブレ補正と合わせて手持ち夜景の強い味方です。
手持ち夜景を定期的に撮るという方は、一本明るいレンズを持っておくとグッと撮影が快適になりますよ(*’▽’)
4.RAW現像する
三脚が使えないことはやっぱり大きなハンデなので、完璧な1枚にするにはRAW現像が必須。
RAW現像とは、ざっくりと説明すると写真の仕上げ処理をカメラ任せにせず自分でやれるツールのこと。
左がただ撮っただけ・右がRAW現像した写真なので、真ん中の白いバーを動かして見比べてみてください。仕上がりが全然違いますよね。
手持ち夜景に限らずRAW現像は写真を思い通りに仕上げるためには必須と言っていいプロセスなので、もしやったことがないという方はぜひこの機会にチャレンジしてみてくださいね(*’▽’)
おわりに
綺麗な夜景を撮るためには三脚はマストアイテム。でもそれが使えないときでもできる限り綺麗に撮りたい。私自身ディズニーや旅先など三脚が使えない場面で撮る機会が多かったので、何か少しでもヒントになればと思い、今回あれこれまとめてみました。
この記事がみなさんのカメラライフにとって少しでもお役に立てば幸いです(*’▽’)
最後まで読んでいただきありがとうございました!