東京ディズニーランドの夜を彩る光の魔法、エレクトリカルパレード。せっかくだから見るだけじゃなく綺麗に撮りたい!という方も多いはず。
というわけで今回はエレクトリカルパレードの撮影設定と、より綺麗に撮るためのコツをまとめたいと思います(*’▽’)
私がエレクトリカルパレードを撮る時の設定
細かいことを書いていく前に、先に私の設定を載せてみましょう!どん!
- 撮影モード:マニュアルモード
- F値:一番小さい数字
- シャッタースピード:1/160秒
- ISO感度:自動制御(上限ISO4000)
となります。
なお、使用するカメラはシャッタースピードやF値などを撮影者自身で変更できるカメラであれば、一眼レフでもミラーレスでもコンデジでもOK。また、レンズはキットレンズを前提に書いています。
ここからはこの設定の中身について私なりに解説してみるので、パレード待ちの暇つぶしにでも軽く目を通してみてください。
一番重要なのはシャッタースピード
私自身写真を撮るようになるまでは知らなかったんですが、写真の『ブレ』には『手ブレ』と『被写体ブレ』の2種類があります。
まず手ブレとは、撮影者のカメラを持つ手が動いてしまうことによるブレのこと。
一般的な夜景撮影であれば、三脚を使用して手ブレを防ぐんですが、パーク内は三脚・一脚などの撮影補助機材の持込は禁止されているため使用できません。
よって、パークでの撮影ではシャッタースピードを速くして手ブレを防ぐことになります。
ただ、エレクトリカルパレードにおいては、被写体ブレ対策の方が大事。
フロート・キャラクター・ダンサーなど被写体が常に動いているので、手ブレはしなくても被写体がブレてしまうと結果的にブレブレの写真を量産してしまいます。
動体の被写体ブレを防げるシャッタースピードであれば、手ブレの心配もないことが多いので、エレクトリカルパレードの撮影では被写体ブレしないシャッタースピードが重要になるというわけなんですね。
『被写体ブレせず、かつ明るく写せるシャッタースピード』がカギ
『被写体ブレを防げばいいからシャッタースピードをとにかく速く設定すれば解決!』と言いたいんですが、そうは言えないのがエレクトリカルパレードの難しいところ。
というのも、暗い場所で明るい写真を写すためには、本来シャッタースピードを遅くして時間をかけてたくさんの光を取り込む必要があります。つまり、夜間撮影においてシャッタースピードを速くすると光量不足で真っ暗な写真になってしまうんです。
ここまでの内容をまとめると、エレクトリカルパレードの撮影においては、被写体ブレせず、かつ明るく写せるシャッタースピードがカギ。それが冒頭で紹介した1/160秒なんです。
ちなみにこの数字は私が今まで何度も撮った経験から決めたものなので、人によってはもう少し遅かったり速かったりするかもしれません。あくまで目安です。
絞りを開いてできる限り多くの光を取り込めるようにする
『F値を小さくすると背景がボケる、大きくすると画面全体にピントが合う』と覚えている方は多いと思うんですが、F値には他にも役割があります。それがレンズの光の通り道を調整することです。
このあたりは文章で説明しても分かりにくいと思うのですが、F値を小さくするとレンズの光の通り道が広くなります。とりあえずこれは暗記してしまいましょう。
レンズの中を一度に沢山の光が通れるようになることで、短いシャッタースピードでも明るい写真を撮ることができる。F値を一番小さい数字にするのはこれが理由です。
できる限りノイズの少ない写真に
ISO感度を高くすると、カメラの中にある光を感知する部分の感度が上がり、暗い場所でもより明るく写すことができます。
ただ、ISO感度を上げすぎるとノイズでザラザラとした画質の悪い写真になってしまいます。なので、できる限りISO感度を上げないのが理想。
…とはいっても、ISO感度にかなり頼らないと綺麗に撮れないので、『これくらいまでならノイズが気にならない』という許容範囲をあらかじめ決めておくのが大切。そうすると可能な限りISO感度に頼りつつ、自分にとって『綺麗な写真』を撮ることができます。
カメラによって高感度性能は異なりますが、私はISO3200-4000を上限にしています。
フロートや構図によって明るさが全然違うからISO感度は自動制御!
私はいつも、ISO感度は固定ではなく自動制御にしています。その理由は、フロートや撮りたい構図によって必要な明るさが異なるから。
例えば、引いた構図でフロート全体を撮りたい場合、周りが暗いためより高いISO感度が必要になります。
逆に思いっきりズームして撮る場合、フロートのLEDがかなり明るいので、そこまで高い感度が必要でないことも多くて。設定を完全に固定していると、写真の明るさにばらつきが生じてしまいます。
どんなシーンでも一定の明るさで撮って、かつ最低限のISO感度で撮影するには、ノイズが気にならない範囲でISO感度を自動制御にするのがベストです。
補足:シャッタースピード優先で撮る方法
マニュアルでISO感度を自動制御にして…という設定を今までしたことがない・どうやって設定したらいいかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
その場合は以下のように設定してみてください。
- 撮影モードはシャッタースピード優先、1/160秒にセット
- ISO感度を3200もしくは4000で固定
シャッター優先であれば、カメラが自動でF値を調整してくれるので一定の明るさで撮ることが可能。もちろんシャッタースピードを1/160秒にできるので被写体ブレの心配もありません。
なお、ここまで述べてきたように、エレクトリカルパレードの撮影において一番大切なのはシャッタースピードのコントロールなので、シャッタースピードをカメラ任せにする絞り優先モードで撮ることはオススメしません。
エレクトリカルパレードを綺麗に撮るための5つのポイント!
一通り説明が終わったので、ここで一度設定をおさらいです。
- 撮影モードをマニュアルに
- 被写体ブレしないシャッタースピード=1/160秒にセット
- 少しでも明るく写せるようF値は一番小さく
- ISO感度は自動制御・ノイズを最小限にするため上限ISO4000に
さて、ここからはエレクトリカルパレードをもっと綺麗に撮るためのポイントやコツをまとめていきたいと思います(*’▽’)
1.フラッシュは使わない!
『暗い場所での撮影=フラッシュの出番』と考えている方は少なくないと思いますし、実際パークでも使っている方を見かけるんですが、エレクトリカルパレードの撮影においてフラッシュの使用はNGです。
そもそもフラッシュは暗いものに光を当てて明るく写すためのものなので、エレクトリカルパレードのような明るい被写体に向かって使っても意味がないどころか、光が光を反射してかえって暗く写ってしまうことも。
また、フラッシュの光は撮影者が思っている以上に周りから見たら非常に眩しく迷惑だったりします。パレードルートにいる全ての人が光の魔法を楽しむためにも、フラッシュは使わず撮ってくださいね(*’▽’)
2.ズームしてフロートの明るさを借りる
ここ最近のリニューアルで、キャラクターの乗っているフロートは眩しいくらい明るくなりました。なので、思いっきりズームした方が電球の明るさを借りて綺麗に撮りやすいことも多いです。
昼のショーパレに比べるとキャラクターの動きはそんなに激しくありませんが、キャラクターをアップで撮影する場合1/160秒よりさらにシャッタースピードを速くする必要があります。
具体的には、1/250-1/400秒が目安です。
3.広角で撮るならシャッタースピードを遅くするのも◎
上の作例のように、思いっきり引いてフロート全体を撮りたい場合、フロートの明るさをあまり借りることができないので、同じ設定でもちょっと暗く写ってしまう可能性があります。
でもラッキーなことに、広角で撮るとズームで撮る時よりも被写体ブレが起きにくい(目立ちにくい)ので、シャッタースピードをちょっと遅くすることができるんです。
上の写真は1/100秒で撮ったものなんですが、特にブレていませんね。
F値をこれ以上下げられない・これ以上感度を上げたくない場合には、フロート全体の撮影においては、少しシャッタースピードを遅くしてあげると綺麗に撮れると思います。
4.明るいレンズがあるなら積極的に使おう!
この記事は一般的なキットレンズを想定して書いてきましたが、でもやっぱりキットレンズはF値を一番小さくしてもF3.5-5.6程度なので、明るい写真を撮るためにはどうしても高いISO感度が必要になってします。
そんな場面で強い味方になってくれるのが、F1.8やF2.8などに設定できる明るいレンズ。背景がボカす目的で買った方もいらっしゃると思うんですが、夜間撮影の強い味方でもあります。
この記事を読んでくださっている方の中には、パークに単焦点レンズを持って行くか悩んでいる人や、今パレードを待機していてズームレンズで撮るか単焦点で撮るか悩んでいる人もいらっしゃるかもしれません。
単焦点の場合ズームができないのが最大の悩みどころではありますが、Eパレのような『夜間かつ動体』というシビアな場面においては、ズームできる暗いレンズよりもズームできない明るいレンズの方が使い勝手が良い場合も結構あります。
今回紹介した設定であれば、標準ズームでも綺麗に撮ることができますが、既に明るいレンズをお持ちで、荷物やレンズ交換に余裕があるのであれば積極的に活用することをオススメします(*’▽’)
5.RAW現像しよう!
エレクトリカルパレードに限った話ではないのですが、100%思い通りの綺麗な1枚を撮るためにはRAW現像が大切。
RAW現像は、『撮影後に写真を柔軟に編集することができるツール』のこと。今回この記事に載せている写真も全てRAW現像しています。
暗所での撮影はカメラにとってかなり難しいので、完璧な1枚にするには撮影者が上手く補正してあげる必要があります。下の記事でプロセスを紹介しているので、よければ覗いてみてください(*’▽’)
おわりに
夢の国での素敵な1日を締めくくる素敵なパレード。この記事が皆さんの思い出作りに少しでも役に立てば幸いです(*’▽’)
最後まで読んでいただきありがとうございました!